怪力、保栄茂(ビン)タルチー

 糸満市の束辺名(ツカヘンナ)に巨大な石の灰皿が有る。

怪力、保栄茂タルチー(ビンタルチー)の愛用の品と言われている。

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 場所は、糸満市の束辺名公民館の前の藪の奥にありますが、整備されていないので、全然わからず、近くの農家(ハルサー)に聞いたら、わかりずらい所に有るのでと、ご親切に昼食中にも関わらず、中断して案内してくださいました、

 恐縮です。ごめんなさい ありがとう。

 藪の中を、ズカズカと入ってゆくが、ハブが出ないかと、ビクビクしながらついていくと、一か所切り開かれた場所に、ブロックで囲われた、大きな石の、灰皿とやらが置かれていた。

 

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 ブロックの囲いの、てんいたには、昭和52.5月と堀込んである、その年月に整備されたのであろうか、その下には、138kg と見える、石の灰皿の重さなのであろう。

 今でも、毎年、子孫です、と言う娘さんが来訪してお掃除して帰るそうです。

 

 この怪力、保栄茂タルチーに関する、伝説物語が存在する、言われはいくつかあるようですが、ここでは簡単に紹介します、

 昔、束辺名(ツカヘンナ)に、山原(ヤンバル)船がやってきて、薪を、法外な値段で売ろうとした、これに怒った、タルチーが山原船を浜辺に引き上げて、欲深い船頭を懲らしめたことが有った。この武勇伝に、大里村の鬼が力くらべをしようとやって来た。

 鬼は村の娘にタルチーの家を訪ねた、娘は驚いたふうもなく、鬼の金棒を手にして地中深く突き刺した。鬼は金棒を抜こうとしたがどうしても抜けなかった。

 すると娘が「タルチーは、私の兄さんですよ」と言って、金棒をヒョイと引き抜いた。これにはさすがに赤鬼も青くなって逃げかえったという。